Ivanti VPNの脆弱性CVE-2026-111357ほか|Connect Secureで悪用確認、対象と修正版

公開 2026-11-02公表 2026-10-13資料確認 2026-11-02VPN・リモートアクセスの脆弱性 5件のまとめ

VPN・リモートアクセス / 公表 2026-10-13

3件を連鎖させると、認証なしで機器の上でroot権限のコマンドを実行されるおそれ(認証情報の窃取とデータの持ち出しを確認)

KEV米CISAが悪用を確認
01 使われている所社外から社内へつなぐSSL-VPNの装置(ISAシリーズのハードウェア、仮想・クラウド)

対象:Ivanti Connect Secure(ICS)(CVE-2026-111357・CVE-2026-104935・CVE-2026-118527)

02 対象と修正版Ivantiの告知では25.1.1.2以前、25.1.2.2以前、22.8R2.5以前(CVEごとに異なる)

修正版 25.1.1.3・22.8R2.6(CVE-2026-104935は25.1.3.0・25.1.3.1でも修正)

03 次にやること自社で確かめる順番

1 版を確かめて修正版に上げる

2 整合性チェックだけに頼らず侵害を調べる

3 22.7・22.8は2027年1月31日の保守終了までに25.1へ

出典 Ivanti:Security Advisory Ivanti Connect Secure (CVE-2026-104935)(2026-10-13作成(2026-10-29更新。時間帯の表記なし))

要点を、上司や保守の会社へのメール・チャットに貼れる文章でコピーします

Ivanti Connect Secureの脆弱性CVE-2026-111357は、CVE-2026-104935・CVE-2026-118527と連鎖して悪用され、認証されていない攻撃者に機器の上でroot権限のコマンドを実行されるおそれがあります。25.1.1.2以前と22.8R2.5以前などが対象で、25.1.1.3・22.8R2.6などの修正版に上げたうえで、侵害を調べます。[1][4]

この記事の要点
  • Ivantiは、3件を連鎖させた悪用を、公表の時点で限られた数の顧客で確認しています。米CISAはCVE-2026-104935を10月13日に、CVE-2026-111357と118527を10月30日にKEVへ追加しました。[1][2][3]
  • 111357と118527は25.1.1.3と22.8R2.6で直ります。104935は25.1.1.2、25.1.3.0・25.1.3.1、22.8R2.5で直ります。開発元の回避策の記載はありません。[1]
  • Ivantiの整合性チェックツール(ICT)は、攻撃者のコマンドがメモリ上で動くため、悪用を見つけられないことがあります。侵害の判断には、ネットワークとメモリの調査が要ります。[3][4]
  • 22.7と22.8は2027年1月31日にサポートが終わります。25.1.3.0以降は新しい機種(ISA4500・ISA6500・ISA8500)が必要です。[1]

01Ivanti Connect Secureの脆弱性で起きること

Ivantiは2026年10月13日にCVE-2026-104935を公表し、10月29日に、連鎖して悪用されたCVE-2026-111357とCVE-2026-118527の修正版を出しました。3件を連鎖させた悪用を、公表の時点で限られた数の顧客で確認しています。[1]

識別番号内容深刻度
CVE-2026-104935なりすましによる認証の回避。認証されていない遠隔の攻撃者が任意のコマンドを実行できるCVSS 3.0で8.6(高、Ivanti)
CVE-2026-111357重要な機能に認証が無い。ローカルで認証済みの攻撃者が権限を上げられるCVSS 3.1で8.8(高、Ivanti)。CVEの記録(採番:MITRE)は7.0
CVE-2026-118527予測できるファイル名。認証済みの遠隔の攻撃者が、ディスクの決まった場所に中身を指定したファイルを置けるCVSS 3.0で4.3(中、Ivanti)

CVE-2026-111357は単独ではローカルで認証済みの攻撃者が前提ですが、連鎖させると前提が無くなります。Volexityの調査では、連鎖は認証の回避、wu.cgiでのファイルの書き込み、dsinvokedでの権限の昇格の3段で、認証なしでroot権限のコード実行に至りました。[1][4][5]

攻撃者は、機器に保存されたLDAPのドメインの認証情報を抜き出し、Active Directoryの情報、LAPSのローカル管理者のパスワード、BitLockerの回復キーを探していました。[4]

ログイン画面への要求から3段の連鎖で認証なしにroot権限を取られ、機器に保存したドメインの認証情報を抜かれる

インターネットの攻撃者ログイン画面を出す公開のCGI(welcome.cgi)へ要求を送る
認証なしで3件を連鎖させる

Ivanti Connect Secure(SSL-VPNの装置)

1. 認証の回避なりすましで認証をすり抜ける
2. ファイルの書き込みwu.cgi で決まった場所にファイルを置く
3. 権限の昇格dsinvoked で権限を上げる
起きること
root権限でのコード実行コマンドは攻撃の要求のたびに送られ、Webシェルや裏口は置かれない
機器から社内へ
LDAPのドメインの認証情報機器に保存されたものを抜き出す
Active Directoryの情報抜き出した認証情報で探す
LAPSのパスワード・BitLockerの回復キー探していた

出典 Volexity「A Series of Unauthenticated Events: Chained Exploitation of Ivanti Connect Secure Zero-Days」(2026年10月13日)

02対象になる製品と系列

対象はIvanti Connect Secure(ICS)です。CVE-2026-104935は22.7R2.14以前には影響しません。Ivantiは、22.7.Xとそれより前の版にはこの脆弱性が無いとしています。[1]

25.1.3.0(2026年7月公開、ISA4500・ISA6500・ISA8500で動く版)以降にも、この脆弱性は無いとしています。Ivantiは25.1.3.0で一部をすでに直しており、ほかの系列へ移す作業の途中で悪用が起きました。[1]

Ivantiの告知は、設定による条件を挙げていません。[1]

03悪用の状況(KEV・Volexityの報告)

Ivantiは、限られた数の顧客での悪用を確認しています。米CISAは、CVE-2026-104935を2026年10月13日に、CVE-2026-111357とCVE-2026-118527を10月30日にKEVへ追加しました。CISAは、攻撃者がこれらを悪用して認証情報の窃取とデータの持ち出しをしていると述べています。[1][2][3][6]

Volexityは、2026年10月の第1週に、当時の最新版だった22.8R2.4のICSが、未知の攻撃者(UTA0576)に未公表の脆弱性の連鎖で侵害されたのを見つけました。悪用は10月3日から繰り返されていました。機器にWebシェルや裏口は置かれず、コマンドは攻撃の要求のたびに送られていました。[4]

10月3日からの悪用に対し、修正は2回に分かれ、連鎖の残り2件は10月29日に直って翌日KEVに載った

Ivanti Volexity・米CISA

2026年10月3日

未公表の脆弱性の連鎖による悪用が始まる当時の最新版22.8R2.4が侵害された(Volexityの調査)

10月13日

IvantiがCVE-2026-104935を公表3件を連鎖させた悪用を限られた数の顧客で確認。Volexityも同じ日に報告

10月13日

米CISAがCVE-2026-104935をKEVに追加

10月29日

連鎖の残り2件の修正版を出す25.1.1.3・22.8R2.6で3件とも直る

10月30日

米CISAがCVE-2026-111357・118527をKEVに追加

2027年1月31日

22.7・22.8のサポート終了

出典 米CISA「CISA Urges Patching Newly Exploited Vulnerabilities in Ivanti Connect Secure」(2026年10月13日、2026年10月30日更新)

JPCERT/CC・IPAの注意喚起は出ていません(2026-11-02確認)。

04外から見えているか

ICSはSSL-VPNの装置で、社外からの接続を受けるため、インターネットから届く場所に置かれます。連鎖の最初の段は、ログイン画面を出す公開のCGI(/dana-na/auth/url_default/welcome.cgi)への要求から始まります。[4]

自社のICS(ハードウェアのISA、仮想、クラウド)がどこにあり、どの名前とIPアドレスで外から見えているかを、版と機種を含めて一覧にします。保守を委託している機器も含めます。

05侵害の確認(整合性チェックだけでは足りない)

米CISAは、侵害を受けたかの判断にはネットワークとメモリのフォレンジックが要るとしています。Ivantiの整合性チェックツール(ICT)は、攻撃者のコマンドがメモリ上で動くため、CVE-2026-104935の悪用を見つけられないことがあります。[3]Volexityの調査でも、攻撃者はメモリ上のライブラリを書き換えて元に戻しており、ICTは何も見つけませんでした。[4]

Ivantiは、Volexityのブログの痕跡を確かめ、ICTを定期的に動かすよう求めています。[1]Volexityが挙げる確認点は次のとおりです。[4]

  1. /dana-na/auth/url_default/welcome.cgiへの大量の要求と、X-DSCGI-PATHヘッダーで別のスクリプト(/home/webserver/htdocs/dana/fb/smb/wu.cgiや/home/runtime/tmp/<ファイル名のMD5>)を指すもの。URLとX-DSCGI-PATHの食い違い。
  2. /tmp/に残る攻撃後の作業の跡(ml.py・rq5.py・mk.py・rr.py・pu.txt・sp_out.txt・spray_hits.jsonなど)。
  3. 隠しディレクトリ/data/.icscap/と、その中のパケットの記録(cap0など)やh.py、tcpdumpの名前を変えたdsstatmondのプロセス。
  4. /home/runtime/dlogs/debuglogと/var/log/audit/audit.logで、ある時間帯の記録だけが抜けていないか。
  5. ICSから社内へ広がろうとする通信(Active DirectoryへのLDAPの問い合わせ、パスワードスプレー、Kerberosの試行)。
  6. Volexityが観測した攻撃元108.165.147[.]64との通信。

侵害が疑われるとき、CISAはIvantiの復旧手順に沿って、次の順で進めるよう勧めています。[3]

  1. 機器の設定をバックアップする。
  2. 工場出荷時の状態に戻し、最新版に上げる。クラウドと仮想の機器は作り直して最新版に上げる。
  3. 1のバックアップから設定を戻す。
  4. ドメイン・管理者・ローカルのすべてのアカウントのパスワードを替える。保存された証明書を取り消して出し直し、APIキーとライセンスサーバーの認証情報を替える。

侵害の確認チェックリスト

チェックはこのブラウザにだけ残ります。保守の会社への依頼や作業の記録にも使えます。

緊急の場合AI攻撃リスク即点検サービス公開情報と、契約後すぐに用意できるアクセスの記録から先に調べ、被害や狙われやすい構成がないかを早く確かめます。

06対象と修正版(25.1・22.8)

Ivantiの告知では、CVE-2026-111357とCVE-2026-118527は25.1.1.2以前と22.8R2.5以前が対象で、25.1.1.3と22.8R2.6で直ります。CVE-2026-104935は25.1.1.1以前、25.1.2.2以前、22.8R2.4以前が対象で、25.1.1.2、25.1.3.0・25.1.3.1、22.8R2.5で直ります。[1]

CVE-2026-111357のCVEの記録(採番:MITRE)は、影響を受ける版として22.8R2.4だけを挙げており、Ivantiの告知の範囲(25.1.1.2以前・22.8R2.5以前)より狭くなっています。対象かどうかは、提供元のIvantiの告知の範囲で判断します。[5]

25.1.2系について、Ivantiの表はCVE-2026-111357・118527の行を設けていません。米CISAは、3件の対象として25.1.2.2以前も挙げています。[1][3]

今の系列CVE-2026-104935CVE-2026-111357・118527上げる先
25.1.1(ISA6000・ISA8000)25.1.1.1以前が対象25.1.1.2以前が対象25.1.1.3
25.1.225.1.2.2以前が対象(25.1.3.0・25.1.3.1で修正)Ivantiの表に記載なし(米CISAは25.1.2.2以前を対象に含める)25.1.3.0以降(新しい機種が必要)
22.822.8R2.4以前が対象22.8R2.5以前が対象22.8R2.6(Ivantiの推奨は25.1.1.3以降)
22.7以前22.7R2.14以前は影響なし記載なし(出典で確認)25.1へ移る(2027年1月31日にサポート終了)

Ivantiは、22.8系では25.1.1.3以降への更新を勧めています。すぐに25.1へ移れない場合は、22.8R2.6で今回の全件が直るとしています。25.1.1.1(ISA6000・ISA8000)は25.1.1.3に上げると全件が直ります。[1]

22.8はR2.6、25.1.1は25.1.1.3で3件とも直り、25.1.2は新しい機種が要る25.1.3.0以降へ移る

対象になる版
上げる先
25.1.1(ISA6000・ISA8000)
25.1.1.2以前
25.1.1.3
25.1.2
25.1.2.2以前(CVE-2026-104935。米CISAは3件とも対象に含める)
25.1.3.0以降(ISA4500・ISA6500・ISA8500)
22.8
22.8R2.5以前
22.8R2.6(Ivantiの推奨は25.1.1.3以降)
22.7以前
22.7R2.14以前はCVE-2026-104935の影響なし
25.1へ移る(2027年1月31日にサポート終了)
だから 22.8R2.6で今回の全件が直るが、22.7・22.8は2027年1月31日にサポートが終わるため、25.1へ移る時期を決める。

出典 Ivanti「Security Advisory Ivanti Connect Secure (CVE-2026-104935)」(2026年10月13日、2026年10月29日更新)

07版の確かめ方と上げる手順

  1. 機器ごとに、今の版と機種(ISA6000・ISA8000、ISA4500・ISA6500・ISA8500、仮想・クラウド)を確かめます。
  2. 06の表で上げる先を決めます。
  3. 修正版は、Ivantiのダウンロード(ILS)から入手できます。[1]
  4. 25.1.3.0に移るには、新しい機種(ISA4500・ISA6500・ISA8500)が必要です。ハードウェアは新しい機器を用意し、仮想・クラウドは25.1.3.0のテンプレートで作り直します。手順はIvantiの「Ivanti Connect Secure 25.x Upgrade and Migration Compatibility Guide」にあり、CISAも参照を勧めています。[1][3]
  5. 上げた後に版が上げる先になったかを確かめます。

保守の会社に頼むときは、機種と版、上げる先(25.1.1.3、22.8R2.6など)を伝え、上げる前に侵害の調査(05)をするか、侵害が疑われる場合は工場出荷時に戻してから上げる手順で進めるかを決めます。上げた後のパスワードと証明書の入れ替えまでを頼みます。

08すぐに上げられないとき

Ivantiの告知に、回避策の記載はありません。Ivantiは、修正版への更新で直すとしています。[1]

09保守終了の系列(22.7・22.8)を使っているとき

Ivantiは、22.7と22.8のサポートが2027年1月31日に終わるとしています。22.8は22.7から25.1へ移るまでの一時的な橋渡しの系列で、25.1には重要なセキュリティの機能があるとして、期日までに25.1への移行を終えるよう求めています。米CISAも、22.8のサポートの終了日を示しています。[1][3]

25.1.3.0以降は新しい機種が要るため、ハードウェアで使っている場合は、機器の入れ替えの時期と予算を早めに決めます。[1]

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よくある質問

Ivanti Connect Secure 22.7を使っています。対象ですか?

CVE-2026-104935については、いいえ。22.7R2.14以前は影響せず、Ivantiは22.7.X以前にはこの脆弱性が無いとしています。ただし22.7は2027年1月31日にサポートが終わるため、25.1への移行が必要です。[1]

整合性チェックツール(ICT)で問題が無ければ大丈夫ですか?

いいえ。攻撃者のコマンドはメモリ上で動き、ICTでは見つからないことがあります。侵害の判断には、ネットワークとメモリの調査が要ります。[3][4]

CVE-2026-111357は認証が必要なので、急がなくてよいですか?

いいえ。単独ではローカルで認証済みの攻撃者が前提ですが、CVE-2026-104935・CVE-2026-118527と連鎖させて、認証なしで悪用されています。[1][4]

22.8R2.5に上げました。まだ対象ですか?

はい。CVE-2026-111357とCVE-2026-118527は22.8R2.5以前が対象です。22.8R2.6か、25.1.1.3以降に上げます。[1]

Ivanti Connect Secureの最新バージョンはどれですか?

今回の告知では、22.8系は22.8R2.6、25.1.1系は25.1.1.3、新しい機種の系列は25.1.3.0・25.1.3.1が修正版として挙がっています。Ivantiは常に最新版に上げるよう勧めています。[1]

出典・参考資料

  1. Ivanti:Security Advisory Ivanti Connect Secure (CVE-2026-104935)2026-10-13作成(2026-10-29更新。時間帯の表記なし) / 3件の内容と深刻度、対象と修正版、悪用の確認、22.7・22.8のサポート終了、25.1.3.0の機種
  2. 米CISA:CISA Adds Two Known Exploited Vulnerabilities to Catalog2026-10-30 / CVE-2026-111357・CVE-2026-118527のKEVへの追加
  3. 米CISA:CISA Urges Patching Newly Exploited Vulnerabilities in Ivanti Connect Secure2026-10-13(2026-10-30更新) / KEVへの追加日、3件の対象の版(25.1.2.2以前を含む)、悪用の内容、ICTの限界、侵害時の手順、22.8のサポート終了
  4. Volexity:A Series of Unauthenticated Events: Chained Exploitation of Ivanti Connect Secure Zero-Days2026-10-13(10-29の修正版の公開を追記) / 連鎖の仕組み、攻撃後の行動、侵害の確認点
  5. CVE Program:CVE-2026-1113572026-10-16公開(日本時間、2026-10-31更新) / 採番機関(MITRE)のCVSS 3.1の値(7.0)と、影響を受ける版の記載(22.8R2.4)
  6. 米CISA:Known Exploited Vulnerabilities Catalog(CVE-2026-104935・CVE-2026-111357・CVE-2026-118527)2026-10-13・2026-10-30追加(2026-11-02確認) / 悪用が確認された脆弱性の一覧への追加

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