Java(JVM・Kotlin)の脆弱性情報まとめ

2026.11.01 22:23 更新 2026年の公表を中心に、KEVに載って今も影響するもの

更新日別の件数直近14日・深刻度別

新規公表と更新直近14日

新規公表 16件 / 更新 37件

深刻度×脆弱性の種類押すと絞り込み

脆弱性の種類緊急高中低未評価
コード実行10––––
認証・認可の回避153––
XSS・インジェクション–6–1–
ファイルの読み取り・上書き–23––
メモリ破壊–22––
サービス停止(DoS)–21––
SSRF・リダイレクト––2––
情報の漏えい–2–––
その他1361–

Java・Kotlinの脆弱性対応では、JDKの本体、TomcatなどのサーバーとSpringなどのフレームワーク、間接的に入るライブラリを分けて確かめます。10月はJDKの更新が1週間に3回あり、更新したつもりの環境が対象のまま残っていることがあります。

このページの要点
  • JDKは10月24日の追加の更新(CVE-2026-114820)が要ります。10月21日の緊急の更新を入れた環境も対象です。
  • KEVに載ったTomcat・ActiveMQ・Strutsは、設定や機能を使っているかで該当が分かれます。
  • Spring BootのBOMやfat jarの中に古い版が残ることがあるので、配った物と本番のJDKで確かめます。

01Javaで今確かめたい脆弱性

Javaの本体(JDK)と、Javaのアプリでよく使われるサーバー・ライブラリのうち、米CISAの悪用確認の一覧(KEV)に載ったもの、深刻度が緊急のものです。KEVの追加日は米国の日付で、他の日付は日本時間です。[1]

脆弱性・問題主な対象・条件修正・対応詳細
Java本体の証明書の問題
CVE-2026-114820・CVE-2026-91403、OracleのCVSS 3.1は9.1
eMudhraの中間CA証明書8枚の秘密鍵が漏れた件。Oracle JDKとOpenJDK系の8〜27の全系列。10月21日の緊急更新の版(例:21.0.13.0.2)も、10月24日の告知の対象です。配布元の10月24日以降の更新版(リリースノートにCVE-2026-114820)。無い間は、OpenJDKの案内にあるルート証明書4つの削除。OpenJDKの告知[2][3][4]
Apache Tomcat
CVE-2026-34486(KEV 2026-08-04)・CVE-2025-24813(KEV)
34486は11.0.20・10.1.53・9.0.116の、クラスタのEncryptInterceptorを使う構成。24813はDefault Servletの書き込みを有効にした構成(初期値は無効)。11.0.27・10.1.61・9.0.123。10月20日公表の8件もこの版で直ります。10月の8件の記事[5][6]
Apache ActiveMQ Classic
CVE-2026-34197(KEV 2026-04-16)
Webコンソールの/api/jolokia/に、ログインした利用者がリモートのSpring XMLを読ませてコードを実行できる。5.19.4未満、6.0.0〜6.2.2。5.19.4・6.2.3で修正。その後もJolokiaの迂回などが公表され、9月9日のCVE-2026-74761まで直すなら5.19.11・6.3.2以上。ASFの告知[7][8]
Apache Struts
CVE-2016-3081(S2-032、KEV 2026-10-08)
2.3.20〜2.3.28(2.3.20.3・2.3.24.3を除く)で、動的メソッド呼び出し(DMI)を有効にしている場合。2.3系は2019年にサポートが終わっています。現行の7.4.0へ移ります。ASFは回避策としてDMIの無効化を挙げています。S2-032[9][10]
Spring Security
CVE-2026-59270、VMwareのCVSS 3.1は9.4
埋め込みのUnboundID LDAPサーバー(UnboundIdContainer、Spring Bootのspring.ldap.embedded.*)を使い、そのポートに外から届く場合。無償版は7.1.1・7.0.7。6.5系以前の修正版は有償サポート向けだけです。Springの告知[11]
snappy-java
CVE-2026-93451
1.1.10.8以下で、型付き配列のメソッドで外部のデータを展開する場合。Kafka・Sparkの依存として入っていることがあります。1.1.10.10以上を直接指定します。記事

Java本体の件は、10月20日の定例の更新、21日の緊急の更新、24日の追加の更新と3回続きました。OpenJDKは「この数日で更新した場合も」もう一度対応するよう案内しています。2件ともKEVには載っておらず、CVEの記録のCISAの評価でも悪用は「none」です。[4][12]

02Javaの系列ごとのサポート期限と更新先

Javaは配布元(Oracle、Eclipse Temurin、Amazon Corretto、Microsoftなど)ごとに更新の期限が違います。使っている配布元の期限で判断します。

系列主な配布元の更新期限今の扱い
Java 8(LTS)Temurin 少なくとも2030年12月、Corretto 2030年12月Tomcat 10.1以降は使えない(11以上が必要)
Java 11(LTS)Temurin 少なくとも2027年10月、Microsoft 2027年9月(最短)、Corretto 2032年1月配布元によっては1年以内に終了
Java 17(LTS)Temurin 少なくとも2027年10月、Microsoft 2027年9月(最短)、Corretto 2029年10月Tomcat 11の最低の版
Java 21(LTS)Oracle Premier 2028年9月、Microsoft 2028年9月(最短)、Temurin 少なくとも2029年12月、Corretto 2030年10月使い続けられる
Java 25(LTS)Oracle Premier 2030年9月、Microsoft 2030年9月(最短)、Temurin 少なくとも2031年9月、Corretto 2032年10月移行の先
Java 26・2726はTemurinで2026年9月に終了。27はTemurin 2027年3月、Corretto 2027年4月半年ごとの版。長く使うならLTSへ

Oracle JDK 21を無償のライセンス(NFTC)で使ってきた場合、Oracleは10月以降の更新を別のライセンス(OTN)で出すとし、無償で続けるなら25以降へ上げるよう案内しています。[13][14][15][16]

実行環境として、Tomcat 9.0系は2027年3月31日でサポートが終わります。Spring Bootの無償サポートは3.5系が2026年6月30日で終わり、4.0系は2026年12月31日、4.1系は2027年7月31日までです。Kotlin/JVMのアプリも同じJDKの上で動くので、表の期限がそのまま当てはまります。[17][18]

03Javaの依存関係の脆弱性を確かめる方法

まず、何がどの経路で入っているかを表示します。Mavenにはlockファイルが無いので、ビルドの道具に解決させて確かめます。

ターミナル
mvn dependency:tree -Dincludes=org.apache.tomcat.embed
./gradlew dependencyInsight --dependency tomcat-embed-core --configuration runtimeClasspath

既知の脆弱性との照合は、OWASP Dependency-Checkか、GoogleのOSV-Scannerを使います。Dependency-CheckはNVDのデータを取り込むため、NVDのAPIキーを使うよう案内されています。OSV-Scannerはpom.xmlから間接的な依存まで解決し、gradle.lockfileも読みます。[19][20]

ターミナル
mvn org.owasp:dependency-check-maven:check
./gradlew dependencyCheckAnalyze   # org.owasp.dependencycheck プラグイン
osv-scanner scan source -r .

JDKの証明書の件は、OpenJDKが配ったCheckCerts.javaで、その実行環境が対象かを確かめられます(JDK 8はjavacで先にコンパイルします)。[4]

ターミナル
java -XshowSettings:properties -version 2>&1 | grep -E 'java\.(vendor|runtime\.version)'
curl -O https://cr.openjdk.org/~mr/CheckCerts.java
java CheckCerts.java

04確認の進め方とJava特有の罠

  1. 実際に動いている成果物を見る:Spring Bootの実行可能なjarは、依存のjarをBOOT-INF/lib/に含みます。jar tf app.jar | grep BOOT-INF/lib/で、ビルドの設定ではなく配った物の中の版を確かめます。shadeで1つにまとめたjarは、ファイル名から版が読めないので、照合の道具に掛けます。
  2. BOMが決める版を疑う:Spring BootのBOMは依存の版を固定します。最後の無償版の3.5.16はSpring Security 6.5.11とTomcat 10.1.55を指定していて、どちらも上の表の対象です。上のライブラリを上げても直らない場合は、tomcat.versionなどのプロパティで直接指定します。[21]
  3. 本番のJDKを見る:コンテナでは、イメージの中のJDKが使われます。動いているプロセスはjcmd <PID> VM.versionで版を表示できます。証明書の件では、DebianやUbuntuのOSのJDKは、ca-certificatesを上げてもJavaの証明書の保管ファイルが直らないため、OpenJDKは保管ファイルの作り直しを案内しています。[4]
  4. 配布元の番号で判断する:同じ修正でも、Oracleの対象の版が21.0.13.0.2、Correttoの修正版が21.0.13.0.11のように、番号の付け方が違います。番号の大小ではなく、配布元のリリースノートに該当のCVEがあるかで判断します。[22]
  5. KotlinのJSの依存を分ける:Kotlin MultiplatformでJSを出力している場合、npmの依存はkotlin-js-store/yarn.lockにあり、Mavenの道具では見えません。JavaScriptの道具で確かめます。[23]

05Java / JVMの解説記事

Java / JVM公表 2026-10-20

Apache Tomcatの脆弱性8件(10月20日公表)、応答の取り違えや認証回避のおそれ。使い方ごとの対象と修正版

Apache Tomcatで10月20日に公表された8件の脆弱性(CVE-2026-101356ほか)は、HTTP/2・JNDIRealm・AJPなどの使い方で該当が分かれます。自分の版と設定が対象かの確かめ方、系列ごとの修正版、Spring Bootでの扱い、9.0系のサポート終了(2027年3月31日)を説明します。

Java / JVM公表 2026-10-04

snappy-javaの脆弱性CVE-2026-93451、型付き配列への展開でヒープ破壊のおそれ。Kafka・Sparkの下で古い版が残る場合の確かめ方

Java向けの圧縮ライブラリsnappy-javaの脆弱性CVE-2026-93451(GHSA-gwq9-9ffj-mvrv)は、uncompressIntArrayなどで配列の末尾を越えて書き込みます。上げる先は1.1.10.10以上です。Kafka・Spark・Hadoopが古い版を指定している場合の確かめ方と、版の指定の仕方を説明します。

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よくある質問

10月にJavaを更新しました。もう一度更新が要りますか?

10月21日の緊急の更新の版(Oracleの例:21.0.13.0.2)は、24日に公表されたCVE-2026-114820の対象です。配布元のリリースノートにこの番号がある版へ上げます。DebianやUbuntuのOSのJDKは、証明書の保管ファイルの作り直しも要ります。[2][4]

Spring Boot 3.5を使っています。BOMの版のままで大丈夫ですか?

3.5系の無償サポートは2026年6月30日で終わり、最後の3.5.16はSpring Security 6.5.11とTomcat 10.1.55を入れます。どちらも対象で、Spring Securityの6.5系の修正版は有償サポート向けだけです。4.1系(4.1.2はTomcat 11.0.27、Spring Security 7.1.2)への移行を検討します。[11][18][21]

Kotlinで書いたアプリも同じ確かめ方でよいですか?

Kotlin/JVMはJDKとMaven Centralのライブラリを使うので、同じコマンドで確かめられます。Kotlin MultiplatformでJSを出力しているなら、kotlin-js-store/yarn.lockのnpmの依存を別に確かめます。[23]

出典・参考資料

  1. 米CISA:Known Exploited Vulnerabilities Catalog2026.10.30版 / CVE-2026-34486・CVE-2025-24813・CVE-2026-34197・CVE-2016-3081の掲載と追加日、JDKの2件の掲載なし
  2. OpenJDK:Vulnerability Advisory 2026/10/242026-10-24(2026-10-27更新、日本時間) / CVE-2026-114820、対象(27.0.1.0.2・25.0.5.0.2・21.0.13.0.2・17.0.21.0.2・11.0.32.1・8u504以前)、CVSS 9.1
  3. OpenJDK:Vulnerability Advisory 2026/10/212026-10-21 / CVE-2026-91403、対象(27.0.1・25.0.5・21.0.13・17.0.21ほか)
  4. OpenJDK:Compromised Certificates and OpenJDK Java Runtimes2026-10-25更新(日本時間) / eMudhraの中間CA 8枚、CheckCerts.java、ルート証明書4つの削除、Debian・Ubuntuの作り直し、数日前に更新した場合も対応
  5. Apache Tomcat公式:Apache Tomcat 11.x vulnerabilities2026-11-01確認 / CVE-2026-34486の内容と対象(11.0.20)、修正版
  6. CVEの記録:CVE-2025-24813(採番機関Apache)2025-03-11(日本時間) / 成立の条件(Default Servletの書き込み、部分PUT)、修正版
  7. ASF:CVE-2026-34197の告知(Apache ActiveMQ)2026-04-07 / Jolokiaを通じたコード実行、対象、修正版5.19.4・6.2.3
  8. CVEの記録:CVE-2026-74761(Apache ActiveMQ)2026-09-09 / 対象が5.19.11未満・6.3.2未満(ActiveMQ Classicの告知の一覧で最新)
  9. Apache Struts:S2-0322026-11-01確認 / 対象、DMIの条件、修正版、回避策(DMIの無効化)
  10. Apache Struts:Struts 2.3.x のサポート終了の告知2018-11-14 / 2.3系の終了(告知から6か月)
  11. Spring:CVE-2026-592702026-08-20 / 条件、対象、修正版(無償版7.1.1・7.0.7、6.5系以前は有償サポート向け)
  12. CVEの記録:CVE-2026-114820(採番機関Oracle)2026-10-25(日本時間) / Oracle JDKの対象の版、CVSS 3.1 9.1、CISAの評価(悪用none)
  13. Eclipse Adoptium:Temurinのサポート期間2026-11-01確認 / Temurinの系列ごとの期限
  14. Amazon Corretto:FAQ2026-11-01確認 / Correttoの系列ごとの期限
  15. Microsoft Learn:Support roadmap for the Microsoft Build of OpenJDK2026-07-28 / Microsoftの最短の終了日
  16. Oracle:Oracle Java SE Support Roadmap2026-10-20更新 / Oracle JDK 21・25のPremier Support、JDK 21の更新のライセンスの変更
  17. Apache Tomcat公式:End of support for Apache Tomcat 9.0.x2026-02-11 / 9.0系のサポート終了日
  18. Spring:Spring Bootのサポート期間(api.spring.io)2026-11-01確認 / 3.5・4.0・4.1系の無償サポートの終了日
  19. OWASP Dependency-Check(GitHub)2026-11-01確認 / Maven・CLIの使い方、NVDのAPIキーの推奨
  20. OSV-Scanner:Supported languages and lockfiles2026-11-01確認 / pom.xmlの間接的な依存の解決、gradle.lockfile、scan sourceのコマンド
  21. Maven Central:spring-boot-dependencies 3.5.16・4.0.9・4.1.22026-11-01確認 / 各版のspring-security.version・tomcat.version
  22. Amazon Corretto 21:CHANGELOG2026-10-24 / 21.0.13.0.11でCVE-2026-114820に対応
  23. Kotlin公式:Set up a Kotlin/JS project2026-11-01確認 / kotlin-js-storeとyarn.lock